2012年8月2日木曜日

書評-米同性愛者の100年間の苦闘描く

7月5日(ブルームバーグ):リンダ・ハーシュマン氏の著作「Victory: The Triumphant Gay Revolution(仮訳:勝利した同性愛革命)」は、その過激な表題の割には筆致は冷静だ。
40歳以上の大半の米国人なら、同性愛者の権利保護を訴えるデモ行進を社会の空気が徐々に変化する証しとして目にしたことがあるだろう。ハーシュマン氏は一線を退いた元教授で、労働法を専門とする弁護士。哲学博士でもある。社会運動の立法・司法面の紆余曲折に強い関心を持っている。しかもそのいずれの事象にも一家言持っている。
ハーシュマン氏のスタイルは(時に気に障るほどに)堅苦しくないのだが、調査は非常に綿密だ。内容のほとんどは自ら100人以上に対して実施したインタビューに基づいている。何が社会運動を成功に導くのかについての同氏の分析は常に思慮に富み、深い。
ハーシュマン氏自身は非同性愛者で、同性愛を「擁護」したり、平等の権利をめぐって議論したりして読者を困惑させるようなことはしない。同氏のアプローチの仕方は、そのような主張を声高に訴える時代は終わったのだということを示唆している。いずれにしても著者にはそんなことをする時間はないようだ。
学術書ではなく一般読者向けのこの本は、のろのろと進むのではなく約100年間にわたる苦闘を350ページ未満にまとめている。その結果、常に面白く、しばしば活気あふれる内容になっている。
訴える時代は終わり
弁護士としてハーシュマン氏は、特に連邦最高裁の判断について明快に説明する。最高裁以上に明快な場合もあるほどだ。よく知られているバウアーズ対ハードウィック事件(1986年)は、男性同士の性行為を刑事罰の対象とするジョージア州の権利を正当と認め、平等な権利を求める同性愛者の主張を「滑稽である」と切り捨てた。
この判断は逆説的だが予測可能な影響を及ぼした。同性愛者たちの運動にとっては衝撃的だった。折しもエイズで数千人が死亡していたが、当時のレーガン政権はこれらの人々に無関心で、運動は勢いを失っていた。その1年後、極めて独創的なエイズ患者支援団体ACTUPが同性愛者の権利擁護に向けた新たな段階へとかじを取った。
一方、同性愛反対主義者たちの主張は最終的には行き過ぎた。ローマー対エバンス事件(1996年)で最高裁は、コロラド州で可決された同性愛者から全ての法的保護を剥奪する法律について無効と判断した。
この決定はローレンス対テキサス州事件(2003年)の判決につながった。この判決で最高裁はついに(遅ればせながら)バウアーズ対ハードウィック事件の判断を覆した。
クリントン政権時代
ハーシュマン氏はクリントン政権時代初期の「聞かざる・言わざる政策」の陰鬱(いんうつ)な起源とそれが消滅していくまでの紆余曲折を記録する。
同氏は結婚を異性同士のみに制限する結婚防衛法が1996年に「議会をやすやすと通過し」、クリントン大統領によって「選挙期間のさなか」に署名された経緯を説明する。
非常に複雑な経緯を経て、オバマ政権はこの法律を擁護する立場から身を引き、5月末に連邦高裁はこの法律を違憲とする判断を下した。
ハーシュマン氏は「勝利」という表題は誤解を招きやすいと認めているが、この言葉を使う使う根拠は明白だ。(常に一時的ではあったが)さまざまな政治や司法の局面で後退があったにもかかわらず、同性愛者の女性と男性に対する社会の態度が逆転したことそれ自体、動かしがたい事実であると、この本は示している。
結婚の問題が最高裁で裁かれる際、バウアーズ対ハードウィック事件の判断が繰り返され、不評を招く恐れもある。ただ、そうなったとしても、いずれ、偏見に縛られない世代の世論を背景に、裁判所によってこのようなゆがんだ判断が歴史の藻くずと消えてしまうに違いないということを、ハーシュマン氏の著書は非常に巧みに描いている。
ゲイSMマニア調教メンズ

0 件のコメント:

コメントを投稿